神戸映画資料館

PROGRAM プログラム

2023年9月9日(土)13:30〜

[貸館]脚本家・鈴木紀子と公共広告・国策宣伝


 撮影所時代の日本映画における女性脚本家のパイオニアのひとりであり、『チョコレートと兵隊』(佐藤武監督、東宝、1938年)、『花つみ日記』(石田民三監督、東宝、1939年)などの脚本を担当した鈴木紀子は、戦時期には『軍神の母』『闘う母』といった国策教育紙芝居の脚本を手がけている。映画脚本家としての代表作『チョコレートと兵隊』にしても、明治製菓宣伝部とのタイアップ企画であり、映画から紙芝居へと移り変わった鈴木のキャリアは、常に「広告・宣伝」と関わり合っていた。
 
 本企画では、鈴木紀子が日活在籍時に脚本を担当した簡易保険宣伝映画『母の微笑』(渡辺邦男監督、1934年)を上映し、また、戦時国策紙芝居『安南の母』(小谷野半二作画、1943年)の現物を上演する。その他、総力戦体制下の公共広告・国策宣伝へのメディア動員において、女性作家の担った役割について考察するべく、戦後に童心社を創業する稲庭桂子が脚本を執筆した戦時国策紙芝居『妻』(西正世志作画、1943年)、大原富枝が脚本を執筆した紙製フィルム幻灯『戦ひの蔭に』(兒玉徹作画、1944年)を紹介する。

 

映画
『母の微笑』
(渡辺邦男監督、鈴木紀子脚本、日活、1934年、52分)提供:神戸映画資料館

紙芝居
『安南の浦島』
(鈴木紀子脚本、小谷野半二作画、1943年)
『妻』(稲庭桂子脚本、西正世志作画、1943年)

紙製フィルム幻灯(※デジタル上映)
『戦ひの蔭に』(大原富江脚本、兒玉徹作画、1944年)

 
解説:鷲谷花(大阪国際児童文学振興財団・特別専門員)

 

令和5年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(基盤研究(B))「日本における女性映画パイオニア:フェミニスト映画史の国際的研究基盤形成」(研究代表者:木下千花)

《参加費》無料
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。参加を希望される日時とイベント名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
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