神戸映画資料館

PROGRAM プログラム

2024年4月12日(金)〜16日(火)

『キャメラを持った男たちー関東大震災を撮るー』キネマ旬報(文化映画部門)ベストワン

『キャメラを持った男たちー関東大震災を撮るー』

(2023/81分/デジタル)
脚本・演出:井上実
撮影:藤原千史、中井正義、今野聖輝
録音:西島房宏
照明:野本敏郎
音楽:清水健太郎
語り:土井美加
製作:村山 英世
企画・制作・配給:記録映画保存センター

インタビュー(出演順)
渡邉 登(国立映画アーカイブ技術職員)
とちぎあきら(国立映画アーカイブ客員研究員)
小宮求茜(岩岡巽の孫)
芦澤明子(映画撮影監督)
高坂定男(高坂利光の息子)
白井泰二(白井茂の息子)
川畑省子(川畑キクの孫)
田中傑(都市史・災害史研究家)
柳田慎也(テレビ岩手釜石支局カメラマン)

 

1923年9月1日、巨大地震が関東地方を襲った。激震は建物を倒壊させ、火災により街は焦土と化した。10万人を超える死者を出した関東大震災である。
この大災害を記録した当時のフィルムが全国各地で見つかっている。

しかし、猛火に追われ大混乱の帝都東京を誰が撮影したのだろうか。

映画は岩岡商会の岩岡巽、日活向島撮影所の高坂利光、東京シネマ商会の白井茂という3人のキャメラマンにたどりつく。彼らは誰に命令されたわけでもなく、夢中で手回しキャメラをまわした。避難者からは罵倒を浴び暴力にもあった。映像からこの災害を残さねばという彼らの強い使命感が伝わってくる。

重いキャメラと三脚を持った男たちは被災地をさまよいながら何を見たのか。そして残されたフィルムから何を知ることができるのか。
関東大震災を撮った、音もないモノクロームのフィルムが、世紀を越えて今、私たちに記録する意味を問いかけてくる。

 

関東大震災―倒壊し火の手のあがる東京下町を必死に駆けずり回った
3人のキャメラマン


高坂利光(こうさか-としみつ)1904‐1968
高坂は日活向島撮影所の撮影技師。当日は劇映画を撮影していたが、助手の伊佐山三郎と草草、日本橋、銀座、日比谷を撮影。9月4日に撮影済みのフィルムを抱え日本海回りで日活京都撮影所にたどり着き、7日夕方に京極帝国館で上映した。
溝口健二監督のデビュー作「愛に甦へる日」 のキャメラマン

 
 


白井茂(しらい-しげる)1899-1984
白井は9月2日から命がけで被災現場を奔走した。その後フィルムは文部省に移管され、『關東大震大火實況』として10月公開された。
代表作は「南京-戦線後方記録映画」1938年、「小林一茶」1941年(監督亀井文夫)

 
 


岩岡巽(いわおか-たつみ)1893-1955
岩岡巽は日本映画黎明期のプロデューサー梅屋庄吉のM・パテ-商会で撮影技術を学び、震災時は上野・根岸で映画製作会社「岩岡商会」を経営していた。会社にはM・パテー商会や日活向島の出身者が多かった。

 
 

→公式サイト

◉ トーク
4月13日(土)
13:30の回上映後「災害記録映像を巡って」
林 勲男氏(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター・震災資料研究主幹)
+井上実(『キャメラを持った男たち-関東大震災を撮る-』演出)
*13日はシアター内で実施することに変更しました。何卒ご了承ください。
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◉ カフェトーク 1ドリンク付き
4月14日(日)13:30の回上映後「百年前の震災フィルムを今に活かす」
井上実(『キャメラを持った男たち-関東大震災を撮る-』演出)
* 神戸映画資料館併設のカフェ・チェリーにて開催(定員15名/330円以上のご注文は差額をお支払いください)

 

《料金》
一般:1700円 シニア(65歳以上):1200円 ユース(25歳以下):1000円 会員:1100円
*初日サービスDAY 1200円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

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