神戸映画資料館

PROGRAM プログラム

2022年7月30日(土)・31日(日)

アウトサイダーのまなざし in 神戸 第1回

~国映/新東宝ピンク映画60周年記念特別上映会~

「新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー」の後続企画。初回は2000年代に作られた3作品をお届けします。

 

「濃厚不倫 とられた女」

(2004/58分/35mm)国映、新東宝映画
監督:女池充 脚本:西田直子 撮影:伊藤寛 編集:金子尚樹 助監督:菅沼隆
出演:こなつ、林由美香、石川KIN、佐野和宏、福島拓哉、藍山みなみ

若い女と妻との間で揺れ動く、もう若くはない男。女池充が西田直子の長らく温めていた脚本を映画化。セックスからはじまる恋愛を愛しくも切なく、そして官能的に描いた大人の恋愛ドラマ。主人公を演じるのは監督の石川欣。林由美香が子持ちの主婦を凛々しく演じている。

 

「援助交際物語 したがるオンナたち」

(2005/65分/35mm)国映、新東宝映画
監督・脚本:いまおかしんじ 撮影:前井一作 編集:酒井正次 助監督:伊藤一平
出演:向夏、平沢里菜子、吉岡睦雄、七瀬くるみ、佐藤宏、伊藤猛、川瀬陽太

「ピンク七福神」の筆頭格いまおかしんじが下北沢を舞台にふたりの女子の友情と葛藤をリアルかつリリカルに描く。同監督らしいユーモアが随所に見られ、せつなくも希望に満ちた型破りのラストシーンは必見。ゼロ年代に注目された向夏、平沢里菜子ら若手女優陣の輝きが眩しい。

 

「熟女 淫らに乱れて」

(2009/61分/35mm)国映、新東宝映画
監督:鎮西尚一 脚本:尾上史高 撮影:鈴木一博 編集:蛭田智子 助監督:坂本礼
出演:伊藤猛、速水今日子、ほたる、守屋文雄、沖島勲、立木ゆりあ、内田高子

独創的な作品世界で熱狂的なファンを持つ鎮西尚一監督による15年ぶりのピンク映画。失業と離婚という人生の岐路に立たされた中年男と周囲の男女との関係を淡々と描いて忘れ難い印象を残す。沖島勲や内田高子も特別出演。国映製作による最後のフィルム撮り作品でもある。

 

ピンク映画は性を商品として扱う性質からのみでなく、成り立ちもまたどこか「アウトサイダー」的でした。それは戦後しばらくのあいだ娯楽の王者として経済界の第一線にいた映画産業がテレビの普及にともなって急速に凋落したとき、まるでそれに乗ずるような形で、あたかもある不可視の意図によって設置されでもしたように、高度経済成長の背後でうごめく欲望を回収する装置として稼働を始めたのでした。しかしそういったピンク映画の作り手たちの多くは、他の独立系の製作者と同様あるいはそれ以上に、たとえパワフルであってもアウトロー(反社会的存在)ではありませんし、コリン・ウィルソンが述べたほどに深く預言者的・神秘主義的なアウトサイダーでなかったとしても、社会の周縁に寄り添いながらもその外部に存在し、常識や社会通念を越えて、配給会社や劇場への多少の忖度は容れつつも強力なスポンサーや様々な権力に従う理由も必要もない立場で、たとえささやかであってもこの世界に何らかの光をもたらそうと努め続けたのです。今回上映する作品の多くが主人公たちが事件や犯罪、あるいは日常の様々な出来事を通じて社会通念や一般常識から逸脱し、葛藤し、あるいはそれらと闘う姿を描いているのは決して偶然ではありません。そんな登場人物たちを見つめる監督=アウトサイダーたちのまなざしは、意識的・無意識的を問わず、あらゆる真摯な創作に共通のあの基底的なメッセージを体現しているかのようです。「共同体(=社会一般通念)の外に出よ、孤独を恐れるなかれ、そして一人の人間たれ」──と。最後になりましたが2017年から繰り返し開催してまいりました「ラスト・フィルム・ショー」開催にあたり、当初より協力・ご尽力いただいた国立映画アーカイブ関係者の皆様に心より御礼を申し上げます。
福原彰(新東宝映画)

 

協力:ぴんくりんく
R18+ 18歳未満の方はご鑑賞いただけません。

《料金》1本あたり
一般:1200円 ユース(25歳以下):1000円 会員:900円
《割引》当日2本目は200円引き
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

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