神戸映画資料館

PROGRAM プログラム

2022年12月2日(金)〜6日(火)

ドキュメンタリー映画『ゆっくりあるく』

プレミア上映
ドキュメンタリー映画『ゆっくりあるく』

 

 
(2021/91 81分/デジタル)
出演:川村浪子、大熊啓、田辺知美

監督:崟利子
撮影:崟利子、加藤初代
プロデューサー:高橋章代、崟利子
編集・録音:崟利子
助監督・制作進行・スチル写真:加藤初代、若井真木子
製作・配給:HERE & THERE

 

いろんなことをやったけど、歩くだけになったの

「ゆっくりあるく」という「行為」を続けるダンサーの川村浪子。
幼少期よりダンスに親しみ、大学では身体理論を研究し創作舞踊を中心に活動していたが、1974年より九十九里浜で「知覚行為」を始める。その後、体育の教師をしながら、表現者として活動の場を国外にも広げていった。1982年に現代舞踏の先駆的存在であったアンナ・ハルプリンがカリフォルニアで開催していたワークショップに参加し、「からだ」による表現の可能性を確信したことで、独自のダンスであり「行為」でもある裸体歩行の「ゆっくりあるく」を確立。以後「ひとり踊り」は国内外で注目され、首くくり拷象や黒沢美香とも共演するなど、多くのアーティストとのコラボレーションを行ってきた。しかし、表現者として絶頂を迎えた頃、体調を崩し活動を休止することになる。活動を諦め掛けたが、股関節の手術後に合唱と出会ったことから活力を得て、近年活動を徐々に再開している。かねてより川村浪子の映画を作りたいと思っていた崟利子は、2021年秋、川村が行きたかった沖縄の地を共にめぐり、今帰仁の海岸での川村のパフォーマンスとインタビューを撮影。円熟期を迎えているともいえる川村の表現と、戦争の記憶と結びついた表現者としてダンスに捧げた人生を、ドキュメンタリー映画として描く。今年84歳になった川村は、いまの自分の「行為」をみて欲しいという。
 

トーク
12月3日(土)15:10 川村浪子、田辺知美(出演)、崟利子、加藤初代、若井真木子(スタッフ)
12月4日(日)15:10 川村浪子(出演)、崟利子(監督)、菅野優香(同志社大学教員)

 

 

川村浪子 ダンサー
東京生まれ。7歳まで中国上海で育つ。東京学芸大学卒。江口隆哉、宮操子、旗野恵美、邦正美に師事。数々の舞踊公演に出演するが、1973年7月にユニークバレーシアターでの川村浪子・秋葉尋子・東文子の三人による舞踊公演を最後にプロセニアムの舞台での公演を停止する。以後、自分の「舞踊」を見出すため、1974年7月に自然の中での知覚体験「九十九里浜行為I」(夜明けの2時間前に海辺に立ち夜明けを迎える)を皮切りに、1977年9月までの3年間、開催月を変え四季12ヶ月の九十九里浜の自然を体験する。その後、代々木青少年総合センター体育館で観衆の中での11回の知覚歩行「行為」1977~1980年、新宿御苑の中で毎月1回計12回の知覚歩行「風景 PARTI」1979~1980年、東京都内の自然があるスペースでの知覚歩行「風景PARTI」1980~1981年 を行う。それらを経て 1982 年7月~8月にサンフランシスコで開かれたアンナ・ハルプリンのサマーワーク ショップに参加。舞台での活動停止後に行ってきた活動の確認と「からだ」での表現の可能性を確信する。帰国後、「ニューパフォーマンス」と名付けた裸体歩行を1982年12月に大磯海岸で行う。この行為により「からだ」と「知覚」の持つ表現の可能性を確信し、以後裸体歩行を山中湖、足尾銅山、長野県白馬村、八王子市醍醐で行う。「ニューパフォーマンス」の締めくくりとして行われた1986年6月に八王子市醍醐での行為は、舞踊評論家の合田成男に「この十年余の孤独な道程が静かな肉体の迫力として語りかけてきた。(中略)いま、舞踊の一番深いところに到達した。」とオン・ステージ新聞に掲載された。そして 1986年2月18日、10年間で100回以上自然の中で行ってきたパフォーマンスから離れ、新たな「舞踊」を求める公演「舞踊、人生は懶(ラン)」を東京日仏学院ホールで開催されたイベント『肉体の死と再生』の中で行う。以後この裸体舞踊を「ひとり踊り」と名付け、世田谷区立美術館、横浜市大倉山記念館、池袋西武スタジオ200、京都大学西部講堂、東京都美術館などで行うほか、美術とのコラボレーションや首くくり拷象や黒沢美香との共演も行う。ただし2011~2014年まで活動を中断。股関節の手術などを行い引退も考えるが、2014年に偶然コーラスのサークルに参加。ここで今まで首から下で踊っていたことに気付く。2015年に振付・演出家 映像作家の余越保子の映像作品に参加。その後2016年に阿佐ヶ谷アートストリートに参加するなどパフォーマンスを続けている。2022年3月、東京・アトリエ第Q藝術でソロパフォーマンス「七つの子」を行った。

 

《料金》
一般:1700円 シニア(65歳以上):1100円 ユース(25歳以下):1000円 会員:1000円
*初日サービスDAY 1100円
予約受付
メールと電話によるご予約を承ります。鑑賞を希望される日時と作品名、お名前、電話番号をお知らせください。予約で満席でなければ、当日に予約無しでもご入場いただけます。
info@kobe-eiga.net 078-754-8039

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